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2022 Jリーグ YBC ルヴァンカップ プライムステージ 準々決勝 第2戦 埼玉スタジアム2002 名古屋グランパス戦

2022 Jリーグ YBC ルヴァンカップ プライムステージ 準々決勝 第2戦 埼玉スタジアム2002 名古屋グランパス戦

ルヴァンカップ プライムステージ 準々決勝の第1戦はアウェーで 1-1 のドロー。ベストではないものの、アウェーゴール1を持ち帰る形で、ベターな結果。「半歩リード」で迎える第2節は、ここで勝てば文句なしに準決勝進出が決まるホームゲームです。

間に挟まった週末のリーグ戦、アウェーでの名古屋戦は残念ながら自分たちのミスから自壊する形で3失点の敗戦。7月以降リーグ戦では負けなしといういよいよ調子が出てきたぜというところで喫した痛い大敗でしたが、シーズンを通してはこういうよくない試合がいくつかはあるもの。重要なのはそういう悪い流れを素早く断ち切って再度よい流れを引き戻せるかということで、ルヴァンカップとはいえ、今試合はしっかり勝ってリーグ戦につなげていきたいところ。

1週間のうちに同じ相手と3度戦う難しい連戦の、今試合がその最後の対決。直近2戦を踏まえて、双方に色々と対策を練ってきていることは予想に難くないですが、ウチがホームの利も活かしつつ、しっかり相手を上回れるか、注目の一戦となりました。

スターティングラインナップ

2022

さて今日のスタメンは、最終ライン左から大畑さん、ショルツさん、岩波さん、酒井さん。ダブルボランチに岩尾さんと敦樹さん、左のSHに大久保さん、右にモーベルグさん、トップ下に小泉さんを配置し、1トップに松尾さんを置いた 4-2-3-1 スタート。GKは彩艶さん。サブには知念さん、馬渡さん、明本さん、安居さん、江坂さん、ユンカーさん、そして西川さんが控えます。

第1戦で相手選手との接触により足首をひねったように見えたショルツさんですが、リーグ戦、1試合をお休みしただけで復帰してくれたのは朗報。さらにしばらくお休みしていた酒井さんもここで復帰。この2人が最終ラインにいてくれるのは心強い。

対する名古屋は最終ライン左から河面 旺成選手、藤井 陽也選手、中谷 進之介選手。ダブルボランチにレオ シルバ選手と永木 亮太選手、左のWBに相馬 勇紀選手、右WBに宮原 和也選手、インサイドハーフに重廣 卓也選手とマテウス カストロ選手を配置し、ワントップに永井 謙佑選手という並びの 3-4-2-1。GKはランゲラック選手。

ここ2試合はレオ シルバ選手をアンカー起用しつつ、1戦目は後半から、2戦目となったリーグ戦では立ち上がり早々に中盤をダブルボランチに修正するという流れでしたが、3戦目となる今回は最初から中盤セントラルを2枚にしてきた形。リーグ戦ではしっかりブロックをセットしつつ中盤に人を並べて中央スペースを消すことでウチのビルドアップを停滞させることに成功しましたので、名古屋としては同じ形からワントップの永井選手、あるいはマテウス選手のスピードとパワーを活かしたカウンターというのが狙いとしては見えました。

超久しぶりの声出し応援でハイテンションなホームゲームにふさわしい3得点で快勝

立ち上がりウチのボール保持時、名古屋はそこまで前線プレスには出てこないものの、名古屋 5-2-3 ブロックの前3枚はスピードも強度もある選手が揃っているので慎重に。基本形としてはウチのCB2枚に岩尾さんでトライアングル、岩尾さんが相手1列目の間に立つ形を狙いますが、名古屋はここに永井選手を付けてくる形、つまりウチの2CBに対してはインサイドハーフのマテウス選手と重廣選手で規制をかけつつ、ワントップの永井選手はその間に立つ岩尾さんを消すというやり方。

相変わらず名古屋は中盤でしっかり人を捕まえにくるやり方なので、そう簡単にフリーでボールを受ける局面を作りにくい。焦って高い位置で引っかかるとSH裏を狙ったカウンターが相手の狙いなのは過去2戦からも明確。

ただ、ウチもこの辺は臨機応変に。岩尾さんが最終ラインまで落ちる形の3枚回しにして、敦樹さんがボールを引き出しにいったり、酒井さんが下がっての疑似3バックに対してトップ下から小泉さんが落ちてきて(そうすると名古屋のボランチはここに付いてくるので)ボールを引き出しておいて、それと入れ替わりに岩尾さんが相手ボランチが空けたスペースに入り込んだりと、前述の通り中盤で人を捕まえにくる名古屋に対して、うまく人を動かしてスペースを創出するということ自体はできていました。

それでも相手守備がハマっちまう場合は彩艶さんから縦に松尾さんを狙うという形で一発で相手を裏っ返す狙いも明確。この辺は西川さん、彩艶さん共に足元の技術があるGKがいてくれるからこそですし、松尾さんがワントップでこういうボールをポストするのが意外とうまいという、彼のワントップ特性みたいなものが大きく寄与していますね。

しかし名古屋も最終ラインの局面強度は高いですし、3バックが中央スペースからあまり動かず、お互い即座にカバーリングできる距離感を保つのでなかなか最後崩しきるのは難しく、アタッキングサードまで侵入する惜しいシーンは何度か作りますがフィニッシュ、決定機とまでは行かず、フィニッシュ手前の中途半端なところで引っかかると名古屋の前線のスピードと個人の打開能力を活かした鋭いカウンターが飛んでくるので即時奪還して押し込むという形にはできませんでした。

とはいえ、名古屋の攻撃も個人打開に依存したものなので、局面での対人で負けなければそこまで厚みのある波状攻撃がくるわけでもなく、そこは守備強度の高い酒井さんが相馬選手を封殺、マテウス選手の個人突破には岩波さんが、永井選手の裏抜けにはショルツさんがさすがの素早いカバーリングと適切なポジショニングで危なげなく対処し、決定機というようなものはほぼ作らせない展開。

第1戦の結果を踏まえるとウチとしてはまずは失点しないことが重要(2失点以上すれば逆に相手が引き分けOKで有利になってしまう)。なかなかシュートまで持っていけず我慢を強いられる展開でしたがここは焦らず。ワンチャンスでも活かして先制できれば相手に大きなプレッシャーをかけることができます。

そんな中30分、岩尾さんからの縦一本に松尾さんがハーフスペースを抜けようとしますがここは名古屋ディフェンスに引っかかってヘディングクリアされそうになったセカンドボールを大畑さんが素早く回収して左サイドに流れた松尾さんへ。松尾さんが中を見た瞬間、ペナルティエリア内にはニア、マイナスに大畑さん、中央に小泉さん、敦樹さん、ファーにモーベルグさんが入ってきている状況で松尾さんのクロスの選択肢は敦樹さん。

小泉さんがクロスの瞬間にゴール方向縦に動いて相手ディフェンスを引っ張ってくれたこともあって一瞬空いた敦樹さんが松尾さんのクロスを頭でうまくゴール右隅に飛ばしてこれが先制点。さすがのランゲラック選手もギリギリ届かないコース、ポストの内側に当たって入る技ありゴールでした。

さらにリスタート直後の33分、右からのコーナーキックにキッカーは岩尾さんでしたが、これを岩波さんが頭で合わせて追加点か、という一歩手前の惜しいシーンを作りますが、ここは名古屋GK、ランゲラック選手が意地を見せて右手1本ではじき出すビッグセーブ。

39分、左サイド大外の大畑さん、ハーフスペースを獲った大久保さんで大久保さんが縦に突破からクロスを上げるもこれは相手ディフェンスに当たってコーナーキックゲット。キッカーは岩尾さん。これは完璧にデザインされた形のコーナーキックでしたが、カットするように蹴ったボールはゴール前の密集から少し離れた場所にたつ敦樹さんの元へ。これを敦樹さんがリラックスした左足ボレーシュートで見事に叩き込むと貴重な追加点。

リプレイ観たら、合わせた岩尾さんもセンターサークルに戻りながら小さくガッツポーズする完璧なコーナーキックでした。そして敦樹さんはこの日2得点目。素晴らしい。

2点リードしたまま試合は後半へ。前半でのスタッツを観る限り、ウチはシュート3本(枠内3)で2得点。名古屋はシュート2本(枠内1)だったので、お互いにチャンスを多く作れたような展開ではなかったことがうかがえますが、その少ないチャンスをしっかり決めきったウチが大きくリードして残すところ45分の勝負へ。

ハーフタイムに名古屋は4枚交代。当然名古屋は2点獲ってイーブンな状況に戻さないと終了ってこともあり、前から積極的に出てくることになりますが、結果として中盤にスペースが生まれ、ウチとしてはボール保持をしやすい状況に。相手が出てこなければゆっくりボール保持。出てくるなら相手が空けたスペースをうまく突いてボールを前進させるしたたかさを発揮し時計を進めます。

68分にはモーベルグさん→明本さん、酒井さん→馬渡さんとして右サイドをリフレッシュ。さらに73分、大久保さん→江坂さん、敦樹さん→安居さんとして、ショルツさん(中央)、岩波さん(右)、大畑さん(左)の3バックに馬渡さん(右)と明本さん(左)をWBにする形の 3-4-2-1 へと移行。名古屋のサイド攻撃に対してスペースを埋めに行く策で完封シフト。

83分には小泉さん→ユンカーさんとしてワントップにユンカーさんを置いてとどめの一発を狙いに行きますが、その直後の86分、相手縦パスを明本さんがカットしたところからユンカーさんとの関係で中央に侵入。シュートまでは行けなかったものの一旦江坂さんに預けてそのままゴール前にスプリントする明本さん。江坂さんがそこにパス通すかなと思ったら、江坂さんは相手ディフェンス2枚の間をドリブルでぶち抜いてフィニッシュ。左足で放ったシュートはゴールに突き刺さってこれが試合を決める3点目。

一瞬、江坂さんのプレーが相手を後ろから押したかなという風に見えましたけど、主審はこれを正当なコンタクトと判断してゴールを認め、同時に名古屋の心もブチ折って残り時間はアディショナルタイム含め数分。しっかり試合をコントロールしながら時間を消費しそのままクリーンシートで試合をクローズ。2戦トータルスコア 4-1 の快勝で準決勝に駒を進めてくれました。

準決勝の相手は昨年と同じセレッソ大阪。前回は惜しくも敗戦して決勝進出を逃しましたが、きっちりリベンジして決勝へ駒を進めたいところ。と、その前に重要なリーグ戦が週末にあります。アウェーでの磐田戦ですが、リーグ戦は前節名古屋に敗戦してしまっていますので、ここでしっかり勝って再度、上位に食いついていけるよう、しっかり準備をしてもらいたいところです。

2022 Jリーグ YBC ルヴァンカップ プライムステージ 準々決勝 第2戦 埼玉スタジアム2002 名古屋グランパス戦 試合終了後の様子

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試合ハイライト

試合データ

観客: 23,435人
天候: 晴 / 気温 30.2℃ / 湿度 72%
試合結果: 浦和 3-0 名古屋(前半2-0 / 2戦トータルスコア 浦和 4-1 名古屋)
レッズ得点者: 伊藤敦樹(31分)、伊藤敦樹(41分)、江坂(86分)
警告・退場: 伊藤敦樹(警告×1/反スポーツ的行為)
主審: 西村 雄一 氏

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