Keep on Jumpin'

2022 Jリーグ 第31節 エディオンスタジアム広島 アウェー サンフレッチェ広島戦

2022 Jリーグ 第31節 エディオンスタジアム広島 アウェー サンフレッチェ広島戦

写真は「DAZN」中継映像から引用

ルヴァンカップの準決勝ではセレッソ大阪を相手に久しぶりの大量失点で完敗。これで国内タイトルの可能性は完全消滅、さらにリーグ戦も言ってしまえば上(タイトルやACL圏内、一応4位以内でリーグ戦、天皇杯の優勝チームによってはっていう極々淡~い期待だけは残ってますが)も下(降格圏)もほぼ関係ない中途半端な状況でリーグ戦の残り5試合を戦うことになりました。

消化試合っちゃ消化試合ですけども、だからこそ次のシーズンに向けてできることをしっかりやって欲しい5試合でもあります。来シーズンに向けた選手の去就も関係してくるかもしれませんし、加入即負傷でまだその全容が不明なリンセンさんあたりが残り5試合でどう試合に絡んで、どう違いを出せるのかなんかも注目。

ひとつでも上の順位を目指すのは当然として、この5試合で試せることは全部試し、その上で今シーズン足りなかったことを洗い出し、来シーズンに向けてどういう準備をすべきなのかの道筋を立てるための充実した5試合にしていただきたいところです。

そんな状況で迎える第31節は、アウェーでのサンフレッチェ広島戦。今シーズン、スキッベ監督を迎えて以降、3バックをベースとした中盤で非常にタイトな、インテンシティの高い守備をベースに堅実な試合を展開し、ルヴァンカップでは決勝進出、天皇杯でも決勝進出の可能性を残し、リーグ戦も現在3位と実は唯一国内三冠の可能性を残しているチーム。

ぶっちゃけルヴァンカップで大ダメージを喰らった直後にあまり対戦したくないタイプですし、中盤での堅さ、ハイプレス傾向に関してもルヴァンカップで軽めのトラウマ喰らったやつなので辛い。とはいえ、セレッソに比べれば守備が食いついてきてはくれる傾向はあるので、うまく立ち位置を獲れれば十分相手をズラしてボールを前進させることはできるはず。ここでしっかり結果を出して、残りシーズンへのテンションを上げてもらいたい注目の一戦となりました。

スターティングラインナップ

2022

さて今節のスタメンは、最終ライン左から大畑さん、ショルツさん、岩波さん、酒井さん。ダブルボランチに岩尾さんと敦樹さん、左のSHに松尾さん、右に大久保さん、トップ下に小泉さんを配置し、1トップに江坂さんを置いた 4-2-3-1 スタート。GKは西川さん。サブには知念さん、関根さん、明本さん、柴戸さん、ユンカーさん、リンセンさん、そして彩艶さんが控えます。

加入後即負傷離脱してしまったリンセンさんが残り5試合というところでベンチ入り。ここから残り試合でどういうパフォーマンスをみせてくれるのか、ユンカーさんや他のアタッカー陣との組み合わせはどうなるのか、ここに関しては期待が高まる部分。

スターティングラインナップとしては、大畑さんと酒井さんが代表帰り直後にもかかわらず即スタメン。酒井さんはアメリカ戦前半だけだったのである程度大丈夫そうですが、大畑さんの方はコンディションと相談しながらという感じになることは想定されます。

前線の並びが今シーズンでも初ですかね。江坂さんワントップ、小泉さんトップ下という初期配置でしたが、この辺は左右SHと合わせて、かなり流動的に動かす、所謂ゼロトップ的な志向が見える配置。中盤でのプレス傾向が強い広島に対して、流動的にポジションを動かすことで中間ポジションを獲っていきたい狙いが見えるスタメンでした。

対する広島は、最終ライン左から佐々木 翔選手、荒木 隼人選手、塩谷 司選手。ダブルボランチに川村 拓夢選手と野津田 岳人選手、左WBに柏 好文選手、右WBに茶島 雄介選手。インサイドハーフに満田 誠選手と森島 司選手、ワントップにドウグラス ヴィエイラ選手を配置した 3-4-2-1。GKは大迫 敬介選手。

悪い負け方した直後のリバウンドメンタリティに期待も、見事に裏切られて2試合連続4失点はおなか痛い。
リンセンさんに感じた可能性だけが救いか

結果的には4失点喰らう大負けでしたし、2試合連続でこういう試合されると観ている方のメンタル的にもくるものがありますけども、より辛いなと思うのが、この試合、別に広島に大きく崩されたみたいな失点はほぼないんですよね。もちろんサッカーは相手があるスポーツなので、「ミスを誘発された」という点も含めて相手の方が上でしたというのは頭ではわかりつつも、あそこまで「今のって防げたんじゃないの?」と思わせる失点を重ねられるとキツイものがある。

正直広島のボール保持自体は大して怖さはなく、やはり怖いのは中盤でボールロストした瞬間の縦への速さ。広島のカウンターはとにかく縦に速い、ボール奪取から手数をかけずに一気にゴール前まで入ってくるし、そこにかけてくる人数も多いのでそこは脅威なんですが、一方で中盤で変なボールの失い方さえしなければ、相手にボール保持されている分にはそこまでやられるイメージはない。だからまずはしっかりボール動かして相手を動かし、相手の運動量をそぐような賢い戦い方ができれば堅い試合にはなっても打ち合いや片方が一方的に点を獲るような試合にはならないと思っていたんですけどね。見事に予想が外れた。

選手たちに最初からモチベーションや集中力が欠けていたとは思いません。明確な目標がなくなった状況で目の前の試合に集中しろと言われても実際問題なかなか難しいもの確かですが、それでも立ち上がりはしっかり集中して試合に入れていたようには見えました。

問題はここ数試合結果が出ていないことで、なんかピッチ上の選手たちが消極的選択(言い方が難しいんですが、最初からやる気がなくてそうなってるわけじゃなく、逆に勝たなきゃと焦ることでリスクを取るべきところでとらず消極的選択をしたり、安全な方を選ぼうとする感じ?)をしているように見える点でしょうか。例えば相手の中盤プレスがきついことは対戦前から予想されていて、その回避策として相手の出足がよい時間帯は中盤を飛ばすっていう手も選択肢にあったと思いますが、その飛ばす判断も「積極的な選択として」狙っていくというよりは、広島のプレスに追い詰められて仕方なく雑に蹴るみたいなプレーばかり。

出し手と受け手で狙いが一致していないから、なんとなく裏に抜けたようなシーンになっても受け手がオフサイドポジションだったり、受け手が蹴られてから反応するので対応が遅れて相手に先に触られてしまうなど、「あぁ相手が出てくるから裏っ返して間延びさせようとしてるんだな」みたいな明確な狙いが見えない。また、前線の陣容も、そういう中盤プレス回避を戦い方に組み込んだ人選には見えなかったので、結果、リカさんらが事前に考えていたであろうことと、ピッチ上での事象にチグハグ感を感じてしまうことに。

個人的には相手が前から出てくることはわかってるんだから、前半からユンカーさん江坂さんセット使って、まずは相手のプレスを蹴って回避するところからはじめて、後半ボール保持できる状況が生まれたら小泉さんとか投入でいいじゃんと思ってしまったわけですが、リカさん的には怖がらずにポジション素早く獲って間、間で受けて相手を動かせよというのを求めていたのか(SHの人選なんかは相手とのポジションギャップに入っていって欲しい意図を感じましたし)、でも選手たちがそれを恐れて安易な回避策に逃げたのか、それとも単純にリカさんがスタメン選定ミスっただけなのか、コンディション的な制約(リンセンさんに関しては多分これ)があったのか、などなど...... この辺は外野からはわかりませんけども、ちょっとこの「裏目に出てる」感は心配だなと。

広島のボール非保持時、ウチのビルドアップに対するプレスは、ワントップのドウグラス ヴィエイラ選手が岩尾さんを消しつつ、インサイドハーフの2枚が2CBに対して出てくる形。この2インサイドハーフの運動量は広島にとっての生命線で、ここが献身的にプレスをかけて規制することで、蹴らせたボールを回収→そこから一気に縦に鋭いカウンターを当ててくる。

前述の通りこの前線プレスがかなり強烈で、なかなか効果的にビルドアップで前進することができなかったことから、シンプルに蹴るという選択を余儀なくされましたが、こうなったときに問題なのが前線の陣容。蹴ったところで相手の3バックは高さも強度もあるわけで、こいつを一発でフィニッシュまで持っていけるような人は前線にいねぇじゃんっていう話に。

結果的に蹴ったはいいけど跳ね返されておつりが帰って来ちゃう。逆に相手のボール保持を前線からプレスハメて蹴らせたように見えても、相手の最前線はドウグラス ヴィエイラ選手だから普通に収まっちゃう。結果ウチが蹴るやつは全部戻って来ちゃって、相手が蹴るやつは全部収まっちゃうから前線の選手たちもプレスバックしなきゃいけなくなってどんどん相手陣から人がいなくなる状況に。

岩尾さん、敦樹さんのダブルボランチコンビの時って、敦樹さんのポジションがどこにあるかで、だいたいウチの状況が良いか悪いかがわかるんですけど、彼が自陣で岩尾さんと横並びになって守備に終われている時間帯が長いってのは結構キツイ。さらに江坂さんも気を利かせてボール受けに落ちてくる、この落ちてくること自体は悪くない、しかし、彼が落ちたなら彼が空けた最前線に誰かが入っていかないといけないんだけど、そこに入るのが周囲のサポートがあってこそ活きる人しかいなくて、かつ単騎突破なので難しい→前線に全く起点作れず。蹴っては相手に渡して守備練習みたいな試合展開。

それでも前半を 0-0 でしのいでくれれば何かしら後半の打開策もあったと思いますが、つまらん失点してまたも自分たちから試合を難しくする流れに。

ビルドアップのやり直しで岩尾さんから戻ったボールを西川さんがキープしたところから、岩尾さんが左側に落ちてきてサポート。その外側にショルツさん、左には岩波さん、縦方向、相手1トップ脇には敦樹さんが立っている状況。岩尾さんとショルツさんには相手プレスが狙いに来ていて、岩波さんは比較的フリー。この状況でなら別に岩波さんに付けて酒井さんで前進で問題ない状況でしたが、西川さんの選択は岩尾さん。ここに森島が寄せてきたことで岩尾さんがコントロールをミスって中途半端なバックパスしたところを詰められてというところでの失点。

ここで重要なのはどちらのミスか、悪いのは誰かみたいな話ではなく、そのリスクはそこで取る必要があったリスクなの?という話。岩尾さんにボールが渡ることでボールを前進させる次の道筋があったなら別にいいんですけど、そっち行ったところでどうせ全部出口塞がれてて詰まってたでしょ? なのに何でわざわざ詰まる方いったの? みたいな。

岩尾さん、シーズン序盤でまだ完全にフィットする前あたり、彼的には恐らく落ちてボール受けに行っている自分を囮にその背中で別の人に受けて欲しいっぽい動きでGKのところにまっすぐ下がっていったら、GKから普通にパス付けられちゃって相手背負うハメになるみたいなシーンが何回かあったんですけど、こういう「オレ今パス受けられるちゃ受けられるけど、できれば俺を囮に周辺をうまく使って欲しいなぁ」みたいなメッセージが味方に伝わってないのか、素直にパス付けられて岩尾さんのミスみたいな空気にされるケースがたまにあって、それは彼がパス受ける時の反転とかでうまく相手外したりするうまさがあるから彼なら大丈夫だろって信頼されてるっていえばそうなのかもしれませんけど、今回もそれに近い気がします。

相手が岩尾さんを浦和のビルドアップにおける最重要プレーヤーだと認識し、そこを消しに来てることはここ数試合みてればわかることで、だからこそ岩尾さんを囮にすることで、周りがうまく受けるチャンスを作れると思うんですけども、そうはなってないのが現状なのかなと。

これ、例えばモーベルグさんも加入当初その強烈な左足のインパクトを残し、これは止められねぇわっていう理不尽さを相手に与えましたけど、さすがに相手もプロなのでまずは左切ってくるようになりましたよね。でもそうなったらすぐに右で縦に抜けてアシストしたりして、「あれ?この人左だけじゃねぇのかよ」と、そうなると右も警戒しなければならなくなるので、より左を活かす隙が生まれるというところで彼は「左を消されたら駄目な選手」で終わらない凄さを見せたわけです。

岩尾さんのところもこれと同じかなと。相手は岩尾さんを消しにくる。だから彼を囮に他が受ける。相手は岩尾さんだけ警戒するとやられると思って的が絞れなくなる、結果岩尾さんが活きるってことなので、ビルドアップはあの人にお任せ、ではなく、全員が当事者意識を持って動かないといけない時期なんだと思います。

試合の内容から離れていきそうなので話を戻しましょう。

62分に松尾さん→ユンカーさん、敦樹さん→柴戸さん、小泉さん→リンセンさんと3枚同時替えで打開を図ろうとした直前に2失点目。コーナーキックのこぼれ球から相手ミドルシュートがショルツさんのシュートブロックでディフレクションして、結果相手に優位なところに転がってしまった不運はあるも、セカンドボールに対する反応速度は完全に広島の方が上回っていたのでどうしても軽い失点に見えてしまう感じに。

3失点目もビルドアップのミス(というか柴戸さんの一か八かみたいなフリック気味のパス)を引っかけられたところからでしたが、満田選手に対応した岩波さんがまっすぐアタックに行った(満田選手が右利きということもあって右を切ることを優先したのかもしれませんが見事に裏かかれました)ことで左足でのトラップ一発で外されてすげぇシュート叩き込まれる結果に。

直接フリーキック叩き込まれた4失点目はコース的には大して厳しいコースじゃなかったと思いますが、完全に直接はないと思い込んだような西川さんの動き、もしかすると西日で見えにくかったみたいな不運もあったかもしれませんが、どっちにしろ「そんなのが入っちゃうんだ......」っていうのが多くて、多分これが観てる方に多大なストレスを与えた要因かなと思います。

悪かったところばかり書いていても楽しくないので希望が見えた点としては、やはりリンセンさんはポジショニングにしても、ペナルティエリア内相手に囲まれた狭いスペースでも相手の意表を突くタイミングでシュートまで持っていくスキルなど、点取り屋としての高い能力を感じさせる選手でした。

ユンカーさんと2トップ気味でプレーしていましたけども、74分過ぎ、ユンカーさんからの横パスにトラップ→ワンステップでシュート放ったシーン、その直後の柴戸さんの得点をアシストするなど、決定機に絡む仕事ができることは証明されたかなと。あとはベーシックな戦術の中にどうやって彼を溶け込ませ、融合させるかというところでしょうか。

さて、冒頭で残り5試合の使い方~みたいなことを書いた矢先、そのラスト5戦の最初を結果的にはかなり残念な試合にしてしまったわけですけども、続くリーグ戦は1週間のインターバルをおいてのホーム鳥栖戦。ここでどうリカバリーできるのか、意地を見せて欲しいところです。

このレビュー記事について浦和レッズサポーター向けFacebookグループでメンバーの方々との意見交換などもしています。詳しくはこちらをご覧ください

おまけ

レッズレディース、WEリーグカップ優勝おめでとうございます! 0-3 から残り10分ちょいで追いついてのPK戦勝利、最後まで諦めない素晴らしい戦いでした。この明るい話題でトップチームの試合は一旦忘れたい(笑

試合ハイライト

試合データ

観客: 17,421人
天候: 晴 / 気温 30.2℃ / 湿度 22%
試合結果: 広島 4-1 浦和(前半1-0)
レッズ得点者: 柴戸(76分)
警告・退場: 岩波(警告×1/ラフプレー)、リンセン(警告×1/ラフプレー)
主審: 御厨 貴文 氏
順位: 9位(9勝8敗13分/勝点40/得失点差+11)

記事をここまで御覧頂きありがとうございます。
この記事が気に入ったらサポートしてみませんか?
スタジアムでのビール代にさせて頂きます。
Categories
Publish
Modified